岐阜県の民間医療機関で、日本脳炎ワクチンを接種するために来院した5歳の男児に、誤って成人向けの新型コロナワクチンを接種するミスについて、自戒の意味を込めて、本日も検討したいと思います。
男児に12歳以上用のワクチンを誤接種後、看護師の指摘を振り切って日本脳炎ワクチンの接種を行ってしまいました。
昨日は「医師は普段から周囲の意見を聞くトレーニングが必要」と申しましたが、やはり人間が行うことですので限界があります。
間違えが起きないようにするには、人間教育よりも、間違えが起きないような「仕組み」の方が確実です。
「看護師が日本脳炎ワクチンの予診票を確認し、男児を診察室に入れ、医師はコロナワクチンの接種と思い込み12歳以上用のワクチンを接種した」とされていますが、この短い文章の中に多くの問題が隠されています。
- 看護師が予診票を確認しているが、男児の全身状態を確認し、これから何のワクチン接種が行われるかを確認する(問診)のは医師の仕事ではないか?
- ワクチン注射器は医師ではなく、看護師が用意していると考えられ、何のワクチン注射器が置かれているのは看護師の方が正確に把握している。
- 小児のワクチン接種は医師が行うことが多いのかもしれないが、医師は問診を正確に行うことに集中すべきであり、接種は習熟した看護師に任した方が間違えが少なくなると考えられる。
- 診察室には、多種類のワクチン注射器が雑多に置かれていることが想像される。
- 間違えを減らすためには、同時間に多種のワクチン接種を行うことは避けるべきである。