こんな経験はありませんか?
食後に猛烈な眠気に襲われる…
ランチの後に集中力が続かない、だるい…
なんか体調が優れない・・・
実はそれ、「血糖値スパイク」が原因かもしれません!
今回はこの血糖値スパイクについて解説していこうと思います。
血糖値スパイクとは?
「血糖値スパイク」の前にまず「食後高血糖」について説明します。
・食後高血糖
食後高血糖とは、食事を摂った後の血糖値が正常範囲を超えて高くなる状態を指します。
通常、食後に血糖値が上がったとしても、膵臓からのインスリン分泌により2~3時間で正常値(110mg/dL未満)に戻るのが一般的です。
これが食後2時間で測った血糖値が140mg/dL以上である場合、食後高血糖と判断されます。
食後高血糖は、インスリンの分泌が不十分であったり、働きが弱かったりすることで起こります。
また、糖尿病の初期段階で現れることが多く、健康診断などで空腹時血糖値は正常でも食後高血糖が見られることがあります。
健康診断で血糖異常と判断されるのは「空腹時高血糖(110mg/dL以上)」ですが、判断されるかなり前から食後高血糖が起こっているそうです。
・血糖値スパイク
ここで今回のテーマである「血糖値スパイク」の説明です。
食後、血糖値の急上昇にインスリンの分泌が追い付かず高血糖状態へ。
次は上がりすぎた血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌されることで今度は血糖値が下がりすぎてしまう。
このように血糖値が急激に上昇し、その後急降下するという動きがまるで山のようなグラフを描くことから「血糖値スパイク」と呼ばれます。
これはリブレ2で測定中、実際に僕が砂糖たっぷりのエナジードリンクを飲んだ時のグラフです。
飲んですぐに血糖値は急上昇。
250近くまで上昇したところで一気に低下しているのが分かります。
砂糖、特に液体のものは特に吸収が早いです。
もちろん上がり方には個人差はあります。
ただ、日ごろから糖質の多い食品を頻繁に摂取している人はこんなことが体内で起きているかもしれません。
血糖値スパイクの何が怖いのか?4つの深刻な危険性
この血糖値スパイク、放っておくと何が危険なのでしょうか?主な理由を4つ挙げます。
1.血管へのダメージ:動脈硬化を加速させる
これが最も恐ろしい点と言えるでしょう。血糖値が急激に上がると、血管の内壁が傷つきやすくなります。
例えるなら、血管の中にザラザラした砂がぶつけられているような状態です。
この傷ついた血管を修復しようと、コレステロールなどが付着しやすくなり、血管が硬く、狭くなる「動脈硬化」が進行します。
動脈硬化は、将来的に心筋梗塞や脳梗塞、腎臓病など命に関わる病気の原因となりえます。
血糖値スパイクは健康診断では問題ないとされていても、ジワジワと血管を傷つけて様々な病気のリスクを高めているのです。
2.糖尿病リスクの増大
糖尿病と聞くと、血糖値が常に高い状態をイメージするかもしれません。
しかし、血糖値スパイクを繰り返していると、すい臓からインスリンが過剰に分泌されるようになります。
これを繰り返すと、インスリンを分泌するすい臓が疲弊します。
最終的にはインスリンの分泌量が低下したり、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が引き起こされることになります。
これにより、本格的な糖尿病へと移行するリスクが格段に高まるのです。
3.肥満・生活習慣病のリスクを高める
血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に分泌され、ブドウ糖を細胞に取り込もうとします。
しかし、使い切れなかったブドウ糖は中性脂肪として体に蓄えられてしまいます。つまり太るのです。
また、血糖値スパイクを繰り返していると、自律神経の乱れや高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のリスクも高まります。
4.集中力の低下や眠気、イライラの原因に
これが多くの人がなんとなく自覚しているのではないでしょうか。
血糖値が急降下すると低血糖状態になり、以下のような症状が現れることがあります。
- 強い眠気
- だるさ
- 集中力の低下
- イライラ、不機嫌
- 手足の震え
- 冷や汗
午後の仕事中に眠くなったり、だるくなったりするのは低血糖状態になっているからかもしれません。
これでは仕事のパフォーマンスも低下してしまいますね。
・・・これに関連してひとつ。
仕事や旅行などで長距離運転中、休憩したり食事を摂ることがあるでしょう。
その時に甘いドリンクや炭水化物の多い食事を摂ることで血糖値スパイクが引き起こされる可能性があります。
それにより運転中に眠気や集中力低下が引き起こされれば、重大事故がおこりかねません。
ドライバーの方は、糖質の少ないメニューを選んだ方が良いでしょう。
血糖値スパイクを防ぐためにできること
血糖値スパイクは、日々の食生活を見直すことで予防・改善が可能です。
・食べる順番を意識する
食物繊維が豊富な野菜やきのこ、海藻類、汁物から先に食べ、次にタンパク質、最後に炭水化物を摂るようにしましょう。
・ゆっくり食べる
早食いをせず、よく噛んでゆっくり食べることで、血糖値の急上昇を抑えられます。
・食事内容の見直し
糖質でのみ血糖値は上昇します。
なので、ご飯などの主食は減らしてタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルが摂れるようなメニューにしたいですね。
・間食の見直し
甘いお菓子やジュースなどは急激に血糖値を上げます。
ナッツやチーズ、高カカオチョコレートなど血糖値が上がりにくいものを選びましょう。
・食後の軽い運動
食後すぐにウォーキングなどの軽い運動をすることで、血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。
今後の健康のために
血糖値スパイクは、自覚症状がないまま私たちの体の中で静かにジワジワと悪影響を及ぼし続けます。
まさに「サイレントキラー」とも言える存在です。
現在、自覚症状がないからといって放置するのはかなり危険です。
食事は生きていくうえで毎日必ず行います。
3食以外にもお菓子をつまんだり、ジュースや甘いコーヒーなどを飲んだりしている人も多いでしょう。
その度に血糖値は大きく変動している可能性はあります。
心配に思った方は、以前紹介したリブレ2などを使用して一度食後の血糖値の動きを確認してみると良いでしょう。
日々のちょっとした食生活や生活習慣の見直しが、将来の健康を守ることに繋がります。
ご自身の体を大切に、今日からできることを始めてみましょう!!
それではまた。