最近は本当に暑い日が続いていますね。
沖縄より北海道の方が暑いなんてこともあったようで。
みなさん、熱中症には十分に注意しましょう。
さて、熱中症対策としてスポーツをする時はもちろん、オフィスでの仕事中や外出時にも、こまめな水分補給が欠かせません。
「電解質も色々入っているし、とりあえずスポーツドリンクを飲んでおけば大丈夫でしょ」
そんなふうに考えている方も多いかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
今回は、夏場の水分補給におけるスポーツドリンクとの付き合い方について、知っておきたいポイントをご紹介します。
スポーツドリンクの糖分は「飲みやすさ」だけじゃない?
スポーツドリンクは、その名の通りスポーツ時の水分補給を目的として開発されました。
発汗によって失われる水分やミネラルを効率的に補給できるとされています。
多くの製品にはある程度の甘みがあり「飲みやすい」と感じますよね。
しかし、この糖分は単に味を良くするだけでなく、水分の吸収効率を高めたり、運動時のエネルギー源となるという重要な役割も担っています。
私たちの体は、腸から水分を吸収する際に、ナトリウム(塩分)と糖を一緒に取り込むメカニズムを持っています。
この仕組みを利用し、スポーツドリンクは適切な濃度の糖質とナトリウムを配合することで、水分の吸収をよりスムーズにしているのです。
また、運動時には体を動かすためのエネルギー源として糖質が消費されます。
特に長時間にわたる運動では、スポーツドリンクの糖分がエネルギー補給に役立つこともあります。
ここまでは水分補給として良い選択に思えるのですが…
注意が必要なのは、この「吸収効率」や「エネルギー補給」が、どのような状況下で必要になるかです。
誰もがスポーツドリンクを必要とするわけではない
「汗をかいたからスポーツドリンクを飲もう」と考える方は多いでしょう。
しかし、一般的な生活や軽度な運動であれば、よほど大量の発汗がない限り、水やお茶で十分です。
スポーツドリンクが真価を発揮するのは、1時間以上の激しい運動や、非常に高い気温・湿度の中で大量の汗をかくような状況です。
このような状況では、水分だけでなく、汗と共に失われる電解質(ナトリウム、カリウムなど)を効率的に補給する必要があるためです。
もちろん、このような状況なら無制限に飲んでも良いということではないので注意してください。
もし、気軽にスポーツドリンクを飲む習慣がある方は、本当に必要かどうかを一度飲む前に考えてみましょう。
運動しているのに体重が減らない?原因はスポーツドリンクかも
「毎日運動しているのに、なかなか体重が減らない」
「むしろ増えてしまった」
そんなふうに感じている方はいませんか?
それは、運動時にスポーツドリンクを習慣的に飲んでいることが原因の一つかもしれません。
多量の糖分を含むスポーツドリンクは、飲めば血糖値が急上昇します。
液体の糖は吸収スピードがとても速いのです。
その糖を使い切れなければ、逆に脂肪が作られてしまい、肥満の原因になります。
特に、軽度な運動や短時間の運動であれば、運動によって消費するカロリーは思っている以上に少ないのです。
ダイエットや健康維持のために行うのであれば、スポーツドリンクは不要です。
水やお茶にしておくのが良いでしょう。
各製品に含まれる糖分の量に注目!
主要なスポーツドリンクに含まれる糖分(炭水化物)の量を比較してみましょう。
製品名 | 100mlあたりの炭水化物量 | 500mlあたりの炭水化物量(おおよそ) |
ポカリスエット | 6.2g | 約30g |
アクエリアス | 4.7g | 約23g |
GREEN DA・KA・RA | 4.8g | 約24g |
スティックシュガー | 約3g(1本あたり) | – |
こうしてみると、どの製品もスティックシュガー10本分に近い量の砂糖が入っています。
みなさん、この量の砂糖を溶かした水を美味しく飲めますか?
甘ったるくてとても飲めないと思います。
しかし、様々な添加物を加えることで、不思議とゴクゴク美味しく飲めるようになってしまうのです。
商品を手に取るときは、一緒に成分表示を見る癖をつけましょう。
経口補水液「OS-1(オーエスワン)」との違い
スポーツドリンクとよく似た製品に、経口補水液の「OS-1」があります。
OS-1は、一般的なスポーツドリンクとは異なり、下痢や嘔吐、発熱などによる脱水状態の時に、医療機関でも推奨されることが多い製品です。
スポーツドリンクよりもナトリウムなどの電解質濃度が高く、糖質濃度が低めに設定されており、体への吸収効率が良いのが特徴です。
そのため、スポーツドリンクのように日常的に飲むものではなく、「脱水状態の改善」を目的とした特別な水分補給として位置づけられます。
子どもにスポーツドリンクを飲ませる際の注意点
スポーツを頑張るお子さんを持つ親御さんの中には、熱中症対策や水分補給のために、お子さんにスポーツドリンクを与えている方も多いでしょう。
しかし、大人と同様に、お子さんにとってもスポーツドリンクの過剰摂取は注意が必要です。
子どもの体は大人よりも小さく、糖分の影響を受けやすい傾向があります。
運動量が少ない場合や、日常的にスポーツドリンクを飲む習慣がある場合、必要以上の糖分を摂取してしまうことになります。
これは、肥満や虫歯のリスクを高めるだけでなく、血糖値の乱高下により集中力の低下やだるさを引き起こす可能性も指摘されています。
お子さんの水分補給は、まずは水やお茶を基本にしましょう。
スポーツドリンクが必要なのは、激しい運動で大量の汗をかいた時など、限られた状況であることを理解してください。
保護者が正しい知識を持ち、適切に判断することが大切です。
賢く水分補給をして夏を乗り切ろう
いかがでしたか?
夏場に限らず、水分補給は非常に重要です。
しかし、やみくもにスポーツドリンクを選ぶ必要はありません。
- 普段の水分補給には、水やお茶を基本とする
- 激しい運動時など、大量の発汗が見られる場合にのみスポーツドリンクを検討する
- スポーツドリンクを選ぶ際は、成分表示の糖分(炭水化物)量を確認する
- 体調不良による脱水時には、経口補水液(OS-1など)を検討する
これらのポイントを踏まえて、ご自身の活動量や体調に合わせた賢い水分補給を心がけましょう。