「運動前にはしっかりエネルギーを補給しないと!」
そう考えて、運動前におにぎりやバナナを食べたり、エナジードリンクを飲んだりしていませんか?
僕も以前はそうでした。
筋トレ前に、糖質たっぷりの大福や団子などをよく食べていましたね。
「トレーニング前にエネルギーは摂るものだ」と思い込んでいたんです。
実は、1時間程度の運動であれば、事前のエネルギー補給はほとんど必要ありません。
特に体脂肪を減らそうとしている場合、かえって脂肪を増やしてしまう可能性があります。
今回はそんな運動前のエネルギー補給について解説していきたいと思います。
体に貯蔵されたエネルギーだけで十分まかなえる
私たちの体には、肝臓や筋肉にグリコーゲンという形でエネルギーが貯蔵されています。
これは、運動強度にもよりますが、だいたい1時間程度の運動をこなせるだけの量です。
みなさんはどれくらいの時間を運動するでしょうか?
多くの人は長くても1時間くらいだと思います。
つまり、通常のフィットネスやウォーキング、ジョギングといった1時間程度の運動であれば、事前にエネルギーを補給しなくても、体内に蓄えられたエネルギーで十分にまかなうことができるのです。
糖質の摂りすぎは脂肪に変わる!?
運動前にパンやご飯、甘い飲み物など、糖質を多く含むものを摂りすぎるとどうなるでしょうか?
体は血糖値を下げるためにインスリンを分泌します。
このインスリンは、糖質をエネルギーとして利用する手助けをする一方で、
余った糖質を脂肪として蓄えたり、脂肪の分解を抑えたりする働きも持っています。
せっかく運動して脂肪を燃やそうとしているのに、その前に余分な糖質を摂ってしまうと、かえって脂肪を増やしてしまうことになりかねません。
逆に、運動前の糖質を抑えることで、無駄な脂肪をつけずに筋肉をつけていくということも可能だと考えます。
トレーニングによる適切な負荷と、運動後の食事による栄養補給と休養によって筋肥大は望めるため、脂肪を効率的に燃焼させながら筋肉量を増やすアプローチとして有効です。
運動中の甘いドリンクはNG
「運動中の水分補給に」と、スポーツドリンクを飲んでいる人も多いでしょう。
しかし、一般的なスポーツドリンクには多くの砂糖が含まれています。
運動中にこれらのドリンクを飲むことは、血糖値を急激に上昇させ、インスリンの分泌を促してしまいます。
これもまた、脂肪の燃焼を妨げる原因となります。
水分補給であれば、水やお茶で十分です。
さらに、運動直前に多量の糖質を摂取すると、インスリンが過剰に分泌され、
その反動で運動中に血糖値が急激に下がる「運動誘発性低血糖(インスリン・ショック)」を引き起こすリスクもあります。
集中力の低下やめまいなどの症状につながり、安全なトレーニングを妨げる可能性も考慮すべきでしょう。
ただし、例外も
今回の内容はあくまで一般的なフィットネスやウォーキング、ジョギングといった、1時間程度の運動を想定したものです。
例えばボディビルダーのように、長時間・高強度の筋力トレーニングや、マラソンのような長時間にわたる運動、アスリートのようにパフォーマンスを最大限に引き出す必要がある場合は、適切なタイミングでのエネルギー補給が必要になるでしょう。
糖尿病やインスリン治療中の方は、必ず医師に相談を
ここまでの内容は、健康な方を対象とした一般的な情報です。
糖尿病を患っている方や、インスリン治療を行っている方は、運動による血糖値の変化が通常よりも大きくなる可能性があります。
運動前の糖質摂取の有無やタイミングを自己判断で行うと、重度の低血糖を引き起こすリスクがあります。
運動を始める前に、必ずかかりつけの医師や専門家と相談し、個々の体調や治療計画に合わせた適切なアドバイスを受けるようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?
1時間程度の運動であれば、運動前の余分なエネルギー補給は基本的に不要です。
あなたの体には既に十分なエネルギーが蓄えられています。
普段の食事で得られたエネルギーや体に蓄えられたエネルギーを使い、効率よく脂肪を燃焼させましょう。
また、運動時の水分補給は、スポーツドリンクではなく、水かお茶にしておきましょう。
これを機に、運動前の習慣を見直してみてはいかがでしょうか?