「ストレスでつい食べ過ぎてしまう…」そんな経験はありませんか?
先に結論を言うと、人はストレスで太ります。
この「ストレス太り」の背後には、コルチゾールというホルモンが深く関わっています。
コルチゾールは、ストレスに対抗するために分泌される重要なホルモンです。
しかし、過剰になると私たちの体にさまざまな悪影響を及ぼします。
その一つが肥満です。
今回はストレスと肥満の関係について解説していきます。
ストレスがコルチゾールを増やす
コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれます。
仕事のプレッシャー、人間関係の悩みなど、生きていく中でストレスの要因は様々あると思います。
私達がこうしたストレスを感じると、体はコルチゾールを分泌して対処しようとします。
コルチゾールの分泌自体は体にとって必要な事ですし、短期的な分泌であれば特に問題はありません。
しかし、長期的なストレスによって血中のコルチゾールが高い状態が続くと、体に悪影響が出てしまいます。
コルチゾールが引き起こす「インスリン抵抗性」
血中コルチゾールの高い状態が続くと何がまずいのか。
それは、インスリン抵抗性を引き起こすことです。
コルチゾールが増えると、肝臓での「糖新生」と呼ばれる働きを活発にして、
アミノ酸や脂肪酸などからエネルギーとなる糖を作り出します。
これにより血糖値が上がります。
すると、血糖値を下げるために、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
この状態が慢性的に続くと、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」という状態に陥ってしまいます。
また、コルチゾール自体も、インスリンの働きを抑えるので、抵抗性はさらに高まりやすいのです。
こうなると、糖が効率良くエネルギーとして使われず、余った糖が脂肪として蓄積されやすくなるのです。
ストレス発散のつもりが、さらなる悪循環に…
ストレスが溜まると、いっぱい食べて発散しているというのをよく耳にします。
ついケーキやお菓子などの甘いものを食べたくなりますよね。
これは、コルチゾールが食欲をコントロールする神経伝達物質の働きを邪魔し、食欲を増進させてしまうためです。
コルチゾールによってインスリン抵抗性が高まっている状態で、糖質の多い食事をとってしまうと、血糖値がさらに上昇します。
その結果、インスリンが過剰に分泌され、脂肪が蓄積しやすいサイクルが加速されてしまうのです。
そして、過剰に蓄積された脂肪は、さらにインスリン抵抗性を強めます。
インスリン抵抗性は糖尿病発症の大きな要因ですので、避けなければならない状態です。
ストレスと上手に付き合い、健康的な体へ
現代社会で生きている以上、ストレスをゼロにすることは難しいでしょう。
しかし、ストレスをコントロールし、コルチゾールの過剰分泌を抑えることは、肥満を防ぐ1つの方法でもあります。
・十分な睡眠をとる
・筋トレやウォーキングなど、適度な運動を取り入れる
・趣味に没頭したり入浴などでリラックスする時間を作る
・可能であればストレス源と距離を置く
これらの方法以外でも、自身がストレスをコントロールできれば良いと思います。
食事で発散するもの良いのですが、インスリン抵抗性を高めないためにも、糖質が多い食品だけは避けるようにしてくださいね。