ぽっこりと出たお腹が気になる人は多いのではないでしょうか?
そのお腹、放置しておくのはオススメできません。
過剰な内臓脂肪は、体の内側からさまざまな不調や病気の原因となり、あなたの健康を静かに蝕んでいくからです。
今回は、過剰な内臓脂肪にはどんなデメリットがあるのか解説していきます。
内臓脂肪はどこに溜まるのか?
内臓脂肪は、主に胃や腸の周りにある大網や腸間膜といった組織に溜まります。
これらは、お腹の中の臓器を覆う「カーテン」のようなものです。
健康な人のお腹はすっきりしていますが、内臓脂肪が蓄積すると、このカーテンが黄色い脂肪で厚くなり、内臓を圧迫してお腹がぽっこりと出てきます。
内臓脂肪が引き起こす5つのデメリット
①姿勢不良と慢性的な腰痛
内臓脂肪が増えてお腹が前に突き出ると、体の重心が崩れます。
このバランスを保とうとして、無意識に反り腰の姿勢になります。
この状態が続くと、腰や背中に大きな負担がかかり、腰痛やさらなる姿勢の悪化を引き起こす原因となります。
②食欲のコントロール不能
脂肪細胞からは、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が分泌されます。
通常、脂肪が増えるとレプチンが増えて食欲を抑え、体重を適正に保つよう働きます。
しかし、内臓脂肪が増えすぎると、このレプチンが効きにくくなる「レプチン抵抗性」が生じます。
その結果、満腹感が得られにくくなり、食べ過ぎてしまうという悪循環に陥ります。
③便秘や頻尿の原因
増えた内臓脂肪は物理的に内臓を圧迫します。
ギチギチに荷物が詰まったスーツケースをイメージしてもらうと分かりやすいでしょうか。
これでは腸が正常に動くことができません。
腸の動き(ぜん動運動)が妨げられると、便秘を引き起こしやすくなります。
また、膀胱が圧迫されることで、トイレが近くなる頻尿のリスクも高まります。
④加齢臭の悪化
加齢臭の原因成分は「ノネナール」といい、これは血中の脂肪細胞が分解されて生成されます。
内臓脂肪が多いと血中の脂質が増え、ノネナールの量も加速度的に増加します。
特に30代以降に加齢臭が気になり始める人が多いのは、内臓脂肪の蓄積が始まる時期と重なるためです。
⑤病気のリスク上昇
内臓脂肪の最大のデメリットは、さまざまな生活習慣病を引き起こすことです。
脂肪細胞はエネルギー貯蔵の役割だけでなく、内分泌細胞としての働きもあり、「アディポサイトカイン」という生理活性物質が分泌されます。
○悪玉アディポサイトカイン
内臓脂肪が増えると分泌量が増加します。
インスリンの働きを妨げたり(高血糖・糖尿病)、血圧を上げたり、血管に炎症を起こしたり(高血圧・動脈硬化)、血栓をできやすくします。
○善玉アディポサイトカイン
内臓脂肪が増えると分泌量が減少します。
動脈硬化や炎症を抑え、インスリンの働きを助ける効果があります。
このアディポサイトカインのバランスが崩れることで、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のリスクが急激に高まります。
また、慢性の炎症はがんの発症リスクを上げ、血管障害は認知症に繋がる可能性も指摘されています。
内臓脂肪は落としやすい
怖い話ばかりでしたが、朗報もあります。
内臓脂肪は、皮下脂肪に比べてつきやすい反面、落としやすいという特徴があります。
食事内容を見直し、適度な運動を取り入れることで、比較的短期間で減らすことが可能です。
今日からできる小さな一歩が、将来の大きな健康を守ります。
ご自身の健康のためにも、内臓脂肪対策を始めてみてはいかがでしょうか