皆さんは「3大栄養素」と聞いて、何を思い浮かべますか?
タンパク質、脂質、炭水化物(糖質+食物繊維)。
これらは私たちが生きていくために欠かせない基本的な栄養素です。
それぞれが体の中でどんな役割を果たしているのか、知っておくのは健康管理において重要です。
今回は、この3つの栄養素が持つ特徴について書いていきます。
タンパク質と脂質は「体をつくる材料」
タンパク質と脂質は、私たちの体を構成する「材料」になる栄養素です。
タンパク質は、まるで建物の骨組みのように、筋肉や内臓、皮膚、髪の毛、爪など、ありとあらゆる部分をつくっています。
さらに、ホルモンや酵素といった、体内で化学反応を起こす重要な働きも担っています。
一方、脂質は「太る元」というイメージが強いかもしれませんが、細胞膜や神経組織の重要な構成要素です。
また、エネルギー源として貯蔵されるだけでなく、体温を保ったり、
脂溶性ビタミン(A, D, E, K)の吸収を助けたりと、なくてはならない役割を担っています。
つまり、タンパク質と脂質は、私たちの体そのものをつくるために使われているのです。
ダイエット中の方はタンパク質は意識的に摂っていると思いますが、脂質が避けられている印象が強いです。
脂質も健康的な体には必要です。
糖質は「体を動かす燃料」
糖質は、体を動かすための「ガソリン」のようなものです。
私たちの脳や筋肉は、主に糖質から作られるブドウ糖をエネルギー源として利用しています。
車がガソリンで走るように、活動量の多い時や集中したい時に欠かせません。
食べた後、すぐにエネルギーとして使われるため、即効性があるのも特徴です。
しかし、糖質は体の主要な「構成要素」ではありません。
たとえば、タンパク質が筋肉や臓器の材料になるのに対し、糖質は直接的に体を作るわけではないのです。
そして、エネルギーとして使われなかった糖質は、インスリンによって脂肪に変換されて体に蓄えられてしまいます。
私たちの体には、糖質を食事から摂らなくても、自力で必要な糖を作り出す「糖新生」という優れたシステムが備わっています。
肝機能が正常であれば、過剰に摂取しなくても問題ないのです。
体に糖質摂取は必須ではない?
『必須アミノ酸』や『必須脂肪酸』という言葉を聞いたことがありますか?
これらはタンパク質や脂質が分解されたもので、体内で作ることができないか、作れたとしても量が少ない成分です。
そのため食事から摂る必要があり、『必須』なのです。
ところが糖質には『必須糖質』なんてものはありません。
前述した通り、自力で作り出せるからです。
糖質は大切なエネルギー源ですが、あくまでも「適量」であることが重要です。
糖質の過剰摂取は控え、バランスの良い食生活を心がけましょう。
「材料」と「燃料」の違いを理解する
まとめると、3大栄養素の役割は以下の通りです。
- タンパク質・脂質:体そのものをつくる「材料」
- 糖質:体を動かすための「燃料」
この違いを理解することで、日々の食事の選択が変わってくるはずです。
今日から、何を『材料』として選び、何を『燃料』として使うのか、少し意識してみませんか?